平成30年 3月定例会 日本共産党 平田きよみ議員 平成30年度各予算案に対する討論要旨

日本共産党 平田きよみ議員 平成30年度各予算案に対する討論要旨

安倍政権は年頭から改憲への強い執念を燃やし、(国の)2018年度予算案でも改憲に呼応して、専守防衛の建前をかなぐり捨て、本格的な攻撃能力の整備に踏み込む大軍拡を進める一方、社会保障の自然増削減、貧困に追い打ちをかける生活保護費削減、大企業減税など、格差と貧困をいっそう広げる予算案となっている

今回の予算審査にあたり、日本共産党は新年度予算が「憲法を守り、憲法によって守られる市民の暮らし優先か、それとも無謀な開発優先か」という観点で臨んだ。

<一般会計予算:修正案・原案ともに反対>(議案第59号)
※修正案を除く原案に反対の場合は、修正案にも反対しなければならないことになっております。

〇評価できるところは、事務室借り上げ料の家賃値引き交渉による節減、LED灯による電気料金の大幅削減、パソコンや事務機器などの再リース等の節減努力、学校司書の増員、市独自のスクールソーシャルワーカーの増員などで、わが党が求めてきた取り組みが着実に成果を上げていることを評価するものである。

〇平和事業が非核の視点のみになっている。「憲法改悪が問題となっている今、平和の根底に憲法の理念は欠かせない。憲法の平和主義を広げようという思いをもっていただきたい。」という訴えには、「憲法に特化した内容の平和事業は行う考えはない」との答弁だった。自衛官募集事務委託事業では柏募集案内所の依頼にはこたえていくとの事。他市では受けていない、義務化されていない依頼は断るべき。市庁舎正面に掲げる幕は、本来市が何に力を入れているか市民に示すもの そこで自衛官募集の幕を掲げるのはいかがなものか。

〇幼稚園の預かり保育を、社会福祉法人に委託する件については、市から幼稚園に補助金を支給、幼稚園から社会福祉法人に委託料を払う、幼稚園と前後15分に引継ぎ時間を設定し、情報を共有、幼稚園教育への理解と質向上のための研修実施との答弁。

幼いこどもたちの立場にとってみると、一日の中で何度も担当者が変わる事への心身の負担は大きい。送迎ステーション利用の場合はさらに負担が大きくなる。委託を受ける社会福祉法人では保育士不足の問題があり、事業者としての負担が大きくなるのではと指摘した。なかなか推進がはかどらないからと、安易に委託とすることは疑問を感じざるを得ない。

小規模保育所は現在61か所まで増えており、さらに新年度には10か所増やすことが決定している。
平成28、29年度においては、全ての小規模保育園施設卒園児の受け入れができたとのことだが、今後さらに小規模保育を増やしていく状況では不安がぬぐえない。

更には今後、確実に営利企業である株式会社の参入も増えてくる。園庭もないビルの中の保育など、保育環境として数多くの問題を抱える小規模保育を、市はいったいどこまで増やし続けるのか。政策の転換が必要になっていると指摘する。

〇放課後児童クラブについては、平成31年度から委託事業になることに伴って、運営事業者選考委員会が設置されることになり、委員報酬が計上された。3月初旬、利用保護者へのアンケートが実施されたが、項目の配分や選択肢の偏りなど、保護者も戸惑う内容になっていた。市はこれを事業者の評価には使用しないと答弁したが、市の職員や教育現場、保育所等では実施できないであろう内容のアンケートは、非常に問題である。

〇総じて、保育や教育、放課後児童クラブ等、こどもたちとかかわる分野においては、その事業を市民サービスとして捉え、安上がりと利便性、効率性重視に向かうことは戒めなければならない。保護者とともに、また指導され保育される側の子供たちも主人公として、ともに作っていくべきものであると申し上げる。

校舎等改修業務に関連して、最近ある小学校では、こどもが軽く触れただけで窓枠が落下、またある中学校では、3月6日全校舎が停電し、全校生徒を帰宅させた。原因は地下に埋設されている大元の電源ケーブルが、老朽化に伴い切れたとの事。どちらも学校施設の老朽化対策が、待ったなしの状況にきていることを示している。

それなのになぜ、大規模改修はスピード感を持って進んでいかないのか。それは今ある公共施設を維持していくには、多額の費用が足りないから、公共施設再編計画を建て統廃合して、全体量を削減していこうとしているからである。学校も対象外ではない。廃校にするか残すかはっきりしないうちに、大規模改修にお金をかけるわけにはいかないということなのか。

しかし、お金がないと言いながら、一方で大型開発に湯水のようにお金を使おうとしている。新拠点ゾーン、矢切観光拠点、千駄堀地域開発など、これまでにも多額の費用が掛かり、これからどれだけ必要なのか分からない。どこから優先して取り組んでいくのか、それも曖昧なまま、部分的に予算がつけられ進んでいくことに、市民も議会も不安を感じている。

こうした本郷谷市長の大型開発、バラマキ計画に対し、保守系を含めた多くの会派が疑問を投げかけ、矢切観光開発に至っては修正意見も提出された。足が地についていない大型計画は見直し、真に市民が望んでいることは何か、撤退の判断をどういう状況でするのかなど、見極めて検討すべき。

〇市民参加型防犯カメラは、補助額を一般は上限30万円、営利企業は上限20万円まで増額したことにより、219台へと増加した。この間安倍政権による前川前文科次官に対する、個人情報を調べ上げて攻撃するやり方を見てみると、市民の税金を使って市民が監視される状況を作っていること、守るべき市民の個人情報が警察に垂れ流されることに、危惧を覚える。一旦立ち止まって、見直すべき。

〇歳入について。個人市民税は増となっているが、普通徴収から特別徴収への切り替えを進め、徴収の徹底を図ったことと、共働きが増えるなど、これまで非課税だった方が納税者となったことなどが主な要因であり、一人当たりの所得はほとんど変わっていない旨の答弁があった。また、法人市民税は減少。これは、国外支店での収支はその国での課税になってしまったことと、平成26年度からの大企業減税による影響が大きく、大企業が大きく利益伸ばしたと見込まれながらも、市の税収としてはマイナスになり、その分のしわ寄せが市民にのしかかることになった。

また中小企業については、毎年約3000件の事業所が、設立・倒産・廃業などで入れ替わる不安定な状況にあることがうかがえる。

景気は緩やかに回復している兆しが表れていると言われるが、市民の暮らしの困難さは変わらず、歳入の面からみても、市民の暮らし優先を市政に貫くことを強く求め、一般会計予算への反対討論とする。

<国民健康保険特別会計予算:反対>(議案第60号)

国保被保険者の低所得化が進むことが予測され、所得200万円以下の滞納者の割合も、年々増えている。国保会計の広域化は、社会保障における公に責任を後退させるものであり、今後市民の負担は重いものになる。国の負担割合を増やすことを国に働きかけていくことと、一般会計からの法定外繰り入れも検討し、保険料を引き下げていくことを要求して反対討論とする。

<松戸競輪特別会計予算:反対>(議案第61号)

日本共産党は、長年ギャンブルに松戸市の財政を依存することに反対してきた。まだ余力のあるうちに撤退すべき。

<介護保険特別会計予算:反対>(議案第64号)

今後3年間で約16億1000万円を準備基金から繰り入れることで、増額幅を少なめに抑えられたが、介護事業の伸びに伴い、今後も負担増が避けられないことは、他市の今回の基準額を比較してみても明らか。

<後期高齢者医療特別会計予算:反対>(議案第65号)

保険料の増額傾向は続いており、その仕組みから、常に負担増が迫られる年齢差別的な仕組みそのものに問題があり、反対する。

<病院事業会計予算:賛成>(議案第67号)

一点跡地問題について申し上げる。市立病院運営審議会は、昨年11月22日に、「旧市立病院の跡地に、公立病院は必要ない」という答申を出した。答申後新たに審議会に加わった一人の識者についても答申内容を了承いただいたことも明らかとなったことから、今後の審議会でこの答申が覆ることがないことは明白。

跡地の管理は一日12万円、実に200人分の生活扶助費に値するお金がかかり続ける。周辺の安全対策を強調されるが、一刻も早く跡地活用の検討を始めて、現状を解消することこそ、一番の安全対策である。東松戸病院を跡地に持ってくる構想3案は撤回すべきであり、撤回されない限り、跡地活用の検討はスタートしない。

先の補正予算で認めた3か月分1100万円分の警備費用はこの3月に使い果たす。それ以降は、市長の判断次第で税金の無駄遣いが広がっていくことになる。抵抗勢力は、本郷谷市長だた一人ではないか。市長にはご自身の普請の為に、市民を犠牲にし続けるのは今すぐやめるべきだ、そして構想3案は即時撤回し、直ちに跡地活用の検討をスタートすべきと強く申し上げる。

※この他の「公設地方卸売市場事業特別会計予算」(62号)、「駐車場事業特別会計予算」(63号)、「水道事業会計予算」(66号)、「下水道事業会計予算」(68号)については、日本共産党の5人の議員はすべて賛成。

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