平成30年 3月定例会 まつど自民 大塚健児議員 平成30年度各予算案に対する討論要旨

まつど自民 大塚健児議員 平成30年度各予算案に対する討論要旨

<一般会計予算:修正案・修正案を除く原案ともに賛成>(議案第59号)

修正部分について順次述べる。

〇まちづくり用地活用事業

歳出予算「第2款 総務費-第1項 総務管理費-第7目 企画費」の「まちづくり用地活用事業」のうち、「まちづくり用地旧65街区活用事業支援等業務委託費」について、845万6000円から委託費800万円を削除し、除草作業分45万6000円を残すものである。また、第3条債務負担行為における、「まちづくり用地活用事業限度額」11億2777万2000円を削除するものである。

これまで執行部が進めてきた事業経緯について、また議会に対しての説明等は理解した。しかしわが会派が懸念していることは、旧66街区と今回の事業地について、たった道路一本挟んだだけで、土地の坪単価が半分以下になって売却をする点である。具体的に坪単価約76万円に対し、約30万円で売却するもの。予算委員会での答弁では「際立ってしまった」と売却額について反省するようにも受け取れた。また、私自身が住んでいる町会内なので、地域の方の声を聞くと、「高齢者の施設ではなく、もっと子供や若い家族が喜ぶ施設ができないか」などのご意見をいただいている。

残念だが、今回のサービス付き高齢者住宅を歓迎する声は聞こえてこなかった。

以上から大変残念ではあるが、本当に地域住民が望む図書館や支所などの公共サービス機能が集約した複合施設へと、もう一度事業見直しを行うべきだと指摘する。

〇中心市街地緊急活性化業務

「第7款 商工費-第1項 商工費-第2目 商工業振興費」のうち、「中心市街地緊急活性化業務」2億8000万円から、「地域イベントのための経費等」以外の2億900万円を削除するものである。この度3月21日に伊勢丹松戸店が閉店された。今まで伊勢丹松戸店のおかげさまで、松戸駅周辺の賑わい創出をしてくださったことに、まずは御礼を申し上げる。

伊勢丹松戸店が閉店されたことで、松戸駅周辺の街づくりについて、議会側も一丸となって取り組むべき課題だと心得ている。

その点今回の事業目的や、コンセプトについては、同意するものである。

しかし、細かく事業内訳をみていくと、指摘せざるを得ない点がある。

まずは、無料循環バスについて。駅周辺の回遊性を生むとの事だったが、果たして無料循環バスが回遊性を生むだろうか。駅周辺は、ただでさえ渋滞が懸念され、歩いたほうが速いという意見もある。むしろ、土日祝日の歩行者天国などの検討をするべきではないか。

次に、松戸駅の景観形成支援について。街路灯・イルミネーション20本、モニュメント設置、西口デッキ開閉式テント整備などを行い、回遊性の向上や滞留時間の延長をはかる、との事だった。

わが会派が考えるのは、予算額6838万円を投入する前に、今ある西口デッキをどう展開していくのか、などの具体策がない中で、どんどん新設することは如何なものかと考える。それよりも、違法看板の撤去などを行ってほしいと思う。

次に、広域集客イベントについて。何も内容が決まっていない中で、週に一回の開催や、中型・大型イベントを行うことに、違和感を抱かざるを得ない。しかし、予算委員会の質疑を通して、執行部から何としても松戸駅周辺の賑わいを創出したいという、熱い思いが感じられた。そこで、全く予算を認めない、ということよりも、週に一回イベントなどを認め、どこまでできるか見させていただきたいという考え方に変わった。

是非とも執行部には、予算委員会でご答弁あった熱い思いで、真剣に松戸駅の賑わいを創出してほしいと期待する。

〇矢切観光拠点アクセス道路設計費

「第8款 土木費-第4項 都市計画費-第1目 都市計画総務費」のうち、「松戸駅周辺地域活性化事業」の中の「矢切観光拠点道路詳細設計等委託料他」から、いわゆる「アクセス道路の詳細設計費」1000万円を削除するものである。

予算委員会の中では、アクセス道路9mができることにより、都市計画法第34条第1号から第14号の規定で、コンビニエンスストアや飲食店などのドライブインができてしまう可能性を指摘した。わが会派が何度も申し上げている矢切地区については、斜面林と底地を含めた景観として位置付けており、そこに市が補助金を投入している。景観が侵される可能性がゼロでないと判断できる以上、アクセス道路についての設計は認めるわけにはいかない。

次に、矢切公園について具体的に質疑をした。土地地権者20名全員が賛同しており、地元から公園設置を望む声が分かった。その一方で、我孫子市は農業拠点施設、赤字600万円を超えてしまった新聞報道があったことを紹介し、加えてわが会派で視察をした沖縄県糸満市の「うちなーファーム」、目の前が平和記念公園という好立地で、国の補助金をもらい、東京ドーム6個分の広大なテーマパークを設置したが、私たちが視察した際、観光客が10人いるかいないかの悲惨な状況を目の当たりにした。糸満市では100条委員会にまでなってしまったこともあり、本当に矢切公園の経営面が大丈夫かを指摘させていただいた。

以上から今回はアクセス道路の詳細設計の一部について削除をし、矢切公園については熟慮した結果、地元の意見を優先し、経営面について慎重に行うよう指摘したうえで、賛同するものである。

〇原案についても一点指摘させていただく。「第2款 総務費-第1項 総務管理費-第7目 企画費」シティプロモーション推進事業のPR冊子について。子育て・共働き、音楽、医療について、3つの松戸と市長は施政方針演説でも述べられた。そのことについては大いに賛同するものである。しかしPR冊子について、作成することを議会に報告せず、今年度内の総合政策部内の予算流用を行い、4月に松戸市内約22万戸、市外はたった約1万戸配布するということに違和感を抱かざるを得ない。

今までは、人口増加を強くアピールし、事業ターゲットは市外の子育て世代のように感じていた。しかし繰り返すが、今回は市内22万戸、ほぼ全戸配布の勢いである。シティプロモーションとは、ターゲットを絞り、マーケティングを練ったうえで行うものだと思っていたが、なぜ今回は無策ともいえる市内全戸配布をし、しかも4月に行おうとしたのか。今年の6月には市長選挙がある。今後は諸々疑われることがないように、しっかりと議会とも連絡を取り合い、行うべき事業だと厳しく指摘させていただく。

〇全体を振り返ると、平成30年度予算案において、次々と計画される事業の実現、可能性において、多くの委員から質問が集中し、全体事業費の総額が不明で、優先順位や財源が示されないまま、事業が進めることに、懸念が示された。

一方年々増え続ける一般会計の市債残高について。次年度現在高見込み額が、1214億8687万2000円となる見込みで、財政危機と言われ、一般会計市債残高の過去最大値であった平成8年度末の
1436億217万円 に迫り、移転建て替えが表明されている市役所本庁舎他公共施設再編整備などを、今後多額の予算を伴う事業が控えている中、市民サービスの低下と、次世代への負担増大が懸念される。

また、先に述べた、松戸駅新拠点ゾーンと矢切観光拠点整備を含む「松戸駅周辺活性化事業」をはじめ、「新松戸駅東側」「千駄堀新駅建設計画」など、大規模事業が事業費の概算額や優先順位が示されない中で、矢継ぎ早に計画されており、新年度予算も含めると、計画づくりに費やされる予算は約10億円近くになる。本当にこの街づくりは、実現するのか。地元住民に期待だけ持たせて、やっぱり実現できませんでした、となると貴重な税金の無駄遣いになりかねない。そうした中、わが会派内で最も議論となったのが、矢切地区であった。これまで優良な農地と緑地による松戸を代表する景観を形成し、農業が営まれている矢切地区は、明確な土地利用方針を持たず、開発計画がなし崩し的に進みつつあり、とても心配である。そこで、どうしても以下2点について指摘させていただく。

一つ目は、松戸駅周辺活性化事業をはじめ、各駅周辺まちづくり事業など、議会が実行の可否を判断できるよう、早急に事業の総額と優先順位を示し、慎重に検討を行うこと。

二つ目は、松戸市として農業政策を守るための明確な姿勢を示し、乱開発を招かない矢切地区の土地利用方針を示すこと。

以上2点を強く訴え、平成30年度松戸市一般会計予算修正案に賛成、修正案を除く原案について、細かく触れなかったがすべて賛成とさせていただく。

※一般会計以外の9会計の予算議案(議案第60号~第68号)については、まつど自民の10人の議員はすべて賛成。

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